2016年2月4日木曜日

鉄火味噌作り

先日、鉄火味噌作りのワークショップに参加してきました。

鉄火味噌とは、牛蒡、人参、蓮根、生姜などの根菜類を1ミリ角ほどのかなり細かい微塵切りにし、胡麻油で炒って水分を飛ばし、そこへ八丁味噌を加えてさらに炒り続け、ぱらぱらのふりかけのような状態になったものです。

わたしはこれを機に鉄火味噌を知ったのですが、保存食や乾物を山歩きで活かしていくことを考えていたので、栄養価の高い味噌に根菜類を加え、水気を飛ばすとなるとさらに栄養も凝縮しているのだろうか。そしてなおかつ軽いので、これは山歩きの食材には向いているんじゃないかと思って興味を持ったのです。

鉄火味噌を教えてくださった富田さんがやっている「富貴工房」のサイトを引用すると、
放射線、電磁波、抗生物質、化学物質などの影響で低下しがちな免疫力を高める養生食品とのこと。血液を温め解毒力を高め、免疫力を向上させる食薬として古来から使われてきたそうです。
http://fukikobo.blogspot.jp/p/products.html

というのは、陰陽五行説をもとに食材の効用を考えたときに、鉄火味噌に使う根菜類は陽性食品であるということだそうです。
陰と陽とは、求心力と遠心力を表していて、
陽性とは、わたしが解釈したところによると、体を温めエネルギーを内側へ送る働きをもっているもの、ということらしいです。
また、季節や体内の臓器の部位なども陰陽五行説で捉えることができるようで東洋医学もこれがベースにあるということを初めて知りました。

寒いとか、冬とか、そういうのは陰性になるそうで。それで臓器でいうと腎臓とか膀胱とか。
たしかに。わたしは疲れが溜まって体が冷えると腎臓が痛むので、なんだかその関係性はうなずけました。
それで、冬に効果を発揮する食べ物というのが陽性の食べ物、つまり体を温める食べ物ということになるそうなのです。

そう考えると、食材をどの季節に、どういった体調のときに、ということを考えて食べれば、食べたものがすんなりと体の支えになってくれるということでしょうか。
これが医食同源ということなのかな。
富田さんが言っていた、昔はシャーマンとメディスンマンとクックマンは同じであったということ。
なるほど、と思いました。
そのことを知ると、食べるという行為の重要性を感じます。
ただ食べてお腹を満たせばいいんじゃなくて体が正しく働くように食べるということ。
そしてそれは、旬のものをそれにあった調理法で美味しく食べるということに繋がっているのだなぁと。

しかし現代社会では医食同源をちゃんと考えるとなると、食材の育った環境まで問いたださなきゃならなくなるってことで。
農薬を使った野菜だとか、抗生物質を与えられて育った家畜とか。放射能汚染された土地で育った食物とか。
たぶん、手近に食事を済ませていたらいくらでも取り込んでいるんでしょうね。
かといって、それに対して神経質にもなりたくない。
なんで、いま自分が体に対してできることは、神経質にならない程度に食事に気を配るってことなのかなぁ。
それでたまに良い食材で体に元気を与えるものを食べる。体に取り入れてしまった極陰性の放射線や電磁波、抗生物質を陽性の食べ物で排出する。

食べることを大事にし、くらしを考え、シンプルに過ごす時間を持つこと。
わたしにとっては、旅をし、山を歩くことがそういったことと向き合える時間なのかもしれないと思っています。
常にそうするのは大変だから、せめて旅のときだけはくらしを豊かにしたい。

今回得た知識でさらに山で過ごす時間を豊かにしていけたらなぁと。


そして鉄火味噌は山で効力を発揮してくれるのか否か。
聞いたところによると、江戸時代以前より、旅人や武士、飛脚などの携帯食として重宝され、さらには軍隊でも利用されていたとか。
やっぱりトレイルフードだった!
それを知ることができて、なんだか嬉しくなりました。
俄然、山で携帯してみたいという興味。

山に持って行く前にまずは食べてみようってことで、ご飯にかけて食べてみましたが、味噌ふりかけって感じ。野菜の味もして美味しい。そして体に良さそうな味。
香りは味噌と牛蒡と人参の香りが強いです。

毎日食べて実感してみたいところだけど、そしたら山まで持ちそうにない。
何しろ手間ひまかけて作ったので大事に食べて行きたい。
なのでたまにちょこちょこと、腎臓の調子が悪いときに食べようかと思います。

山に持っていくならさらに炒ってみたら、と富田さんからのアドバイス。
さらに火を与えて陽性にし、かつ、もっと軽くなるってことかしら。
それも試してみようと思います。

これが、今回の雪山歩きにどう活きて来るのか楽しみです♪