いい天気。
この日は吹の江に行ってみることにした。
吹の江はキャンプ場に面している海岸の隣に続く入江だが、入っていく場所がわかりづらいらしい。
釣りのスポットとして知られているので 釣り人はそこへ行くようだけど海水浴場にはなっていないようなので、この季節泳いでいる人はまずいないだろう。
しかし、そうとう綺麗な場所らしい。
人があまり入らないだけ環境が保たれているのだろうか。
吹の江の行き方をブログに書いてくれていた人がいたので、それを参考に向かってみたがやっぱり入り口が非常にわかりづらく、随分彷徨った末、入江への道を見つけることができた。
藪漕ぎしていくと見晴らしのいい、崖っぷちの道に出た |
吹の江に着いた |
楽園って、こういうところをいうのだろうか。
色とりどりの苔、海藻、珊瑚、海の生き物。
かといって、陸地の植物のような派手さはないのだが、海独特の色彩の、華やかな世界が広がっていた。
地上から浅瀬を見下ろすと水中の様子がよく見える |
水面の揺らめきと水中に散る小さな魚の群れ、海藻の色彩が相まった景色になっている |
海に潜ってみると海藻がかなり茂っていて、思ったよりも深さがあった。
海藻の茂みの上を泳ぐ。
森の上を散歩しているような感覚だ。
上から茂みを眺めるという立ち位置は空を泳いでいるような、なんとも不思議な感覚になる。
たまに浅くなると海藻の森のなかに分け入っていくように泳ぐ。
この環境は陸上の森にも似ていて、また、この水中散歩は森の中で散策する感覚にも近いと思った。
今回海に潜るまで、泳ぐことは肉体を駆使し、疲れてしまうような運動だと思っていた。
それは今までわたしが水泳の感覚で接し、ゴーグルをつけ、上手じゃない息継ぎで海水を飲み込んでしまいながら泳いでいたからだろう。(なので磯遊びの方が好きだった)
シュノーケルをつけて、水面に浮かび、脈拍を穏やかにし、漂うように腕や足を動かす。
疲れを感じることはなく、ただ浮かんで眺める景色がこんなに美しく、楽なことだとは思ってもみなかった。
そして、水中の散策に没頭できるのだ。
海は果てしない。
水面に浮かび、深いところを眺めても、深すぎると海底は見えない。
わたしには計り知れない深い海だってある。
海のもっとも深いところなんて、人間は行くことができない。
宇宙にさえ、人は行っているのに。
深海一万メートルにはどんな世界があるのだろう。
もし、海の水がなくなったら、どんな森が現れるのだろうか。
潜らないとわからない、海の世界が気になる。
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